スターウォーズの思い出

自分がスターウォーズを初めて観たのは、多感で純粋な中学生の頃だった。(今は鈍感で不純というわけではないが。)

1997年、当時札幌の狸小路に帝国座という映画館があり、「エピソード4新たなる希望」のデジタルリマスターされた特別編が公開され、友人と観に行った。その時のインパクトは、自身の人生になんらかの影響を与えていると思う。そのデジタルリマスター版の映画は、数ヶ月後に順番にエピソード5、6と公開予定となっていたが、待ちきれずに従兄弟の兄ちゃんに吹き替え版のテレビ放送の録画したビデオテープを借り、旧三部作をコンプリートした。もちろん、デジタルリマスター版が公開されるごとに、帝国座に足を運んだ。

そのような体験もあり、今も一番好きなのは、「エピソード4 新たなる希望」だ。自主制作っぽいB級特撮映画みたいな雰囲気や、「キング・ソロモンの秘宝」のような冒険活劇としての要素、主人公たちの青春映画としての側面などの絶妙なミックス具合がいい。

当時はまだ新三部作といわれているエピソード1の公開などの情報もなく、その後のディズニーの買収、続編の公開や、アニメ展開など現在のような大型コンテンツになるような気配は全く無かった。また自分の生まれた時代が1980年代のSFブームとはズレているため、旧三部作公開のリアルタイムではなく、どこか周回遅れなマニアックな映画ファンになったような感覚があった。

その後、数年ごとに続編が公開され、スピンオフ作品も多く公開される状況を楽しみつつ、ある種の市民権を得ていく過程に何処か複雑な心境がある。いまでは、1977から1983年の公開当時からのオールドファンや、自分のようなデジタルリマスター版を観てハマったファンだけでなく、そのような旧世代(?)が親となって、子供と一緒に新三部作を観に映画館の足を運びファンになった世代というのもいる。

3世代でスターウォーズマニアの家族というのもいて、サブスクのディズニープラスに会員登録するのが当たり前の時代なのかもしれない。そういったことを考えると、おじいちゃんがリアルタイムで見ていた旧三部作のスカイウォーカーの物語を、孫が見ているというのはほっこりするというより不思議だ。スターウォーズの物語が継承や世代をテーマにしているのもリンクしている気がしてくる。(初めてスターウォーズを見る子供に、マークハミルが登場して熱い展開だとかさっぱりだろう。)


2020/11

Takuji Nishita

美術家 西田卓司のホームページ。

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